cmp-mlメンバーの皆様
東北大金研の西松毅です。
物理学会の領域10の誘電体分科領域運営委員をしております。
2016年9月13日(火)〜16日(金)に金沢大学角間キャンパスで
開催されます日本物理学会2016年秋季大会の領域10のプログラムは
w4.gakkai-web.net/jps_search/2016au/data/html/program10.html
です。特に今回は9月14日午後と15日午後とに
領域10関係のシンポジウムが予定されております。
9月15日13:30〜17:00のAH会場 (15pAH) のシンポジウム
『マルチプローブ融合利用による新奇強誘電体材料の物性解明』
の宣伝をさせてください。大和田先生に書いていただきました
イントロを下に添付します。
秋季大会は8月1日(月)まで期日前事前登録・購入が可能です。
ご講演の予定がない方も、ぜひお誘いあわせの上ご参加ください。
www.jps.or.jp/activities/meetings/index.php
からお手続き可能です。
秋の金沢でお待ちしております。
よろしくお願い申し上げます。
西松毅
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はじめに:「8次元計測」のめざすところ
量研機構
大和田謙二
Introduction to the symposium
National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology
K. Ohwada
本シンポジウム「マルチプローブ融合利用による新奇強誘電体材料の物性解明」は,
近年著しい発展を見せる量子ビーム(“よく制御された”電磁波・粒子線の総称)
計測技術や計算技術の融合(マルチプローブ融合利用)によりもたらされる新奇
強誘電体材料の物性解明について議論する場として提案されました.
近年の量子ビーム計測技術の発展により,観測可能な
時間(エネルギー)−空間(運動量)領域は拡大し,材料の持つ時間・空間構造を
詳細に調べることが可能となりつつあります.電荷,スピン,軌道,格子(単位胞),
ドメイン,界面等それぞれの自由度やスケールに合わせたプローブを選択し物性解明
に必要な情報を取得することが可能となりつつあります.第一原理計算や,粗視化等
を通じてスケールを連結する計算技術も発展してきています.これらマルチプローブ
の融合利用によりもたらされる「8次元計測(運動量空間 q_x, q_y, q_z,
エネルギーE, 実空間 x, y, z, 時間 t)」[1]の最大の恩恵を受ける材料系として
フェロイック材料系があると思われます.
従来型の強誘電体の研究開発が進む一方,最近は様々な自由度と結合した新奇
強誘電体が発見され,強誘電体の物性研究が分野横断的に急速に広がっています.
例えばスピン・軌道と格子が結合するマルチフェロイック物質や,電荷と格子が結合
する電子強誘電体,メソスコピックな不均質性が本質のリラクサー強誘電体,
更には分子自由度と結合した有機強誘電体等が挙げられます.これらの複合自由度の
結合がもたらす,従来型の強誘電体には見られない新奇な外場応答は大変魅力的で,
その起源解明を目指す物性研究のみならず産業応用を見据えた研究も盛んになって
きています.本シンポジウムではこれらに深く関わりのある講演者にシンポジウム
で掲げる観点からの話題提供をお願いいたしました.これらの話題を皮切りに
「マルチプローブ融合利用」の共有,材料開発から計測・計算に至る一貫した
研究体制の構築,ひいては新奇強誘電体材料の発見・物性解明へとつながってゆく
ことを期待いたします.
谷口博基先生には「共応答誘電体:光特性・機械特性・誘電特性をまたぐ新機能の
創出に向けて」というタイトルで,新規物性開拓・物質探索の最近の取り組みと,
マルチプローブ融合利用の有用性についてご講演いただく予定です.
笠松秀輔先生には「強誘電体薄膜キャパシタにおける「負のキャパシタンス」発現の
第一原理シミュレーション」というタイトルで,最近の強誘電体薄膜キャパシタの
大規模計算による原子電子レベルからのシミュレーションについて紹介していただき,
ポスト京を含むスーパーコンピュータによるシミュレーションと「8 次元計測」との
連携の可能性についても議論していただく予定です.
坂倉輝俊先生には「価電子波動関数を捉える次世代X線回折技術の開発」という
タイトルで,放射光X線を用いた高精度・高確度結晶構造解析により可能になってきた
価電子密度分布の可視化と電荷分布の異方性を取り込んだ構造(軌道波動関数)解析
手法開発の現状についてご講演いただく予定です.
羽田真毅先生には「時間分解電子線回折法を用いた有機・無機結晶から液晶にわたる
光誘起構造変化」というタイトルで,光ポンプ電子線プローブによる有機物の光励起
ダイナミクス研究の最前線を紹介いただく予定です.
陰山洋先生には「新しい酸窒化物の合成法と機能開拓」というタイトルで,
低温アニオン交換反応に加え、高圧合成法を用いた新規酸窒化物開発とその機能開拓
について最新の成果を発表して頂くとともに,物質開発に資するマルチプローブ
融合利用に期待する事について,化学と物理学双方の視点から語っていただく予定です.
松浦直人先生には「中性子散乱によるスローダイナミクス研究と MEM による不均一
緩和モード分布の可視化」というタイトルで,J-PARC で整備された超高分解能(μeV級)
中性子非弾性散乱装置群で到達可能な運動量−エネルギー空間を概観した後,
得られた準弾性散乱をMEM解析することにより見出された不均一系に特徴的な
緩和モード分布を中心に,乱れた系のダイナミクス計測についてご講演いただく予定です.
[1] 有馬孝尚, 放射光 27, 297 (2014).
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