皆様
当研究室で以下のセミナーを行います。ぜひお越し下さい。その他のセミナー予定は以下をご覧下さい。
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李
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場所:東京大学生産技術研究所千葉実験所(柏キャンパス内)s307号室
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講師:田島裕康さん(理研・中村研)
日時:01月17日(水)午後2時~
演題:量子系からの仕事の取り出しに関する trade-off relations
概要:熱機関による仕事の取り出しは一般に、あるコントロールパラメータ(例えばピストンの位置)を操作し、それに対する反動として、エントロピーや分散の小さい「力学的なエネルギー」である仕事を得るものとしてイメージされる。このイメージを直接的に反映して、量子統計力学において熱機関を解析する時、熱機関および熱浴のダイナミクスは時間変化するパラメータ λ(t) に依存するハミルトニアン H_{λ(t)} によるユニタリーな時間発展として記述される。このモデルは standard model とよばれ、第二法則を量子統計力学上で再現する試みなどに幅広く使われている [1,2,3]。この時暗黙裡に、何らかの理想化された極限において、このモデルは現実の熱機関のよい近似として振舞うことが仮定されている。この仮定は正しいだろうか?答えは直観に反して NO である。熱機関および熱浴の時間発展がユニタリーに十分近くなるようなとき、量子熱機関は通常我々がイメージする(マクロな)熱機関とは異なる振る舞いを示す [4,5]。例えば、熱機関及び熱浴の時間発展がユニタリーに近いとき、取り出された仕事を溜める系(おもりの系)のエネルギー揺らぎは、取り出された仕事の期待値よりはるかに大きくならなくてはならない。この事実は、時間発展がどのくらいユニタリーに近いかを表す指標 δ_U と、おもりの系のエネルギー揺らぎ δ_E の間の以下の不確定性関係の帰結である [4]:
δ_Uδ_E ≧ |[U_S,H_S]|/40
このトレードオフ、およびそのほかのいくつかのトレードオフによって、我々がイメージするような熱機関の振る舞いを量子統計力学上で解析する際、standard model より広いクラスの時間発展を許すモデルが必要になることを様々な角度から示すことが出来る。今回の talk ではこれらのトレードオフを紹介し、併せて standard model をどのように拡張すべきかについての簡単な考察を行う。
参考文献
[1] A. Lenard, J. Stat. Phys. 19, 575 (1978).
[2] J. Kurchan, arXiv:cond-mat/0007360 (2000).
[3] H. Tasaki, arXiv:cond-mat/0009244 (2000).
[4] M. Hayashi and H. Tajima, Phys. Rev. A 95, 032132 (2017).
[5] H. Tajima, N. Shiraishi and K. Saito, arXiv:1709.06920(2017).
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李 宰河
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