羽田野研究室セミナーのご案内:山口裕樹さん「成体組織恒常性のマクロ非平衡理論」

メーリングリストの皆様

東京大学生産技術研究所の李と申します。
羽田野研究室では、下記の通りセミナーを開催致します。
皆様の奮ってのご参加をお待ちしております。

なお、当研究室におけるセミナー情報は、次のリンクよりご覧頂けます。
hatano-lab.iis.u-tokyo.ac.jp/seminar.html

*本案内は複数のメーリングリストにお送りしております。重複して受け取られました方は何卒ご容赦下さい。

               記               

日時:2018年06月27日(水)13時30分〜
場所:東京大学 生産技術研究所 千葉実験所 研究実験棟In210号室
道程:http://hatano-lab.iis.u-tokyo.ac.jp/access.html
講師:山口裕樹さん(東大・沙川研)
演題:成体組織恒常性のマクロ非平衡理論

要旨:哺乳類成体組織では細胞が絶えず入れ替わっており、細胞分裂と細胞死の釣り合いにより組織が維持される(恒常性)。この釣り合いがどのような機構により維持されるのかはほとんど理解されていなかったが、近年の実験技術の発展により、その一端が明らかになってきている。Claytonらは細胞染色実験とスケーリング理論から、細胞自律的に恒常性が維持されるとした[1]。さらに最近になって、Mesaらはライブイメージング法を用いて、隣接細胞間の相互作用により恒常性が維持されると報告している[2]。我々は、細胞密度によるフィードバックにより恒常性維持機構を定式化し、マクロ非平衡確率過程として記述した。細胞間相互作用の到達距離が有限の場合に、細胞集団ダイナミクスが短時間領域における細胞自律的な振る舞いから動的クロスオーバーし、長時間領域の振る舞いはvoterモデルにより記述されることを明らかにした[3]。
 本講演では、まず近年の実験により明らかになった成体組織恒常性における細胞集団ダイナミクスの統計則と非平衡統計力学モデルの関係をまとめる。次に、恒常性における細胞多体系をマクロな非平衡確率過程として定式化し、数値解析の結果として動的クロスオーバーを示した上で、長時間極限における有効ダイナミクスがvoterモデルにより記述されることを説明する。

参考文献
[1] E. Clayton et al., Nature 446, 185 (2007).
[2] K. Mesa, K. Kawaguchi et al., bioRxiv:155408 (2017).
[3] H. Yamaguchi, K. Kawaguchi and T. Sagawa, PRE 96, 012401 (2017).

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李 宰河
〒277-8574 千葉県柏市柏の葉5-1-5
東京大学生産技術研究所
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Tel: 04-7136-6977
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