羽田野研究室セミナーのご案内:東川翔さん「古典非線形方程式の Floquet-Magnus 展開と磁性体のダイナミクスへの応用」

メーリングリストの皆様

東京大学生産技術研究所の李と申します。
羽田野研究室では、下記の通りセミナーを開催致します。
皆様の奮ってのご参加をお待ちしております。

なお、当研究室におけるセミナー情報は、次のリンクよりご覧頂けます。
hatano-lab.iis.u-tokyo.ac.jp/seminar.html

*本案内は複数のメーリングリストにお送りしております。重複して受け取られました方は何卒ご容赦下さい。

               記               

日時:2018年07月18日(水)13時30分〜
場所:東京大学 生産技術研究所 千葉実験所 研究実験棟In210号室
道程:http://hatano-lab.iis.u-tokyo.ac.jp/access.html
講師:東川翔さん(東大・上田研)
演題:古典非線形方程式の Floquet-Magnus 展開と磁性体のダイナミクスへの応用

要旨:近年非共鳴周期外場による孤立量子系のデザインとコントロール、いわゆる Floquet engineering が大きな注目を集めている [1,2]。これは Floquet の定理によって非平衡系の問題が平衡系の問題に帰着され、Floquet-Magnus 展開により対応する平衡系の解析が簡単化されるためである。一方で、古典系における Floquet-Magnus 展開は Hamilton 系などの量子系との対応が単純な系でしか知られていない [3]。これは古典(開放)系の支配方程式は一般に非線形であり、かつ有限温度の場合はランダム変数により周期的でさえなくなるため、Floquet の定理が適用できないためである [2]。このため、古典系においても Floquet-Magnus 展開のような系統的な摂動展開が存在するのかどうかは非自明な問題だった。
 この問題に対して、我々は(確率)微分方程式で記述される古典(開放)系に対する Floquet-Magnus 展開を構成した [4]。ベンチマークとして磁性体のダイナミクスの現象論的方程式である確率的 Landau-Lifshitz-Gilbert 方程式の数値計算を行い、Floquet-Magnus 展開から得られる有効的な確率的 Landau-Lifshitz-Gilbert 方程式が、高周波領域で元の方程式のダイナミクスをよく近似できることを確かめた。特に、有効的な方程式は短時間のダイナミクスだけでなく長時間後の非平衡定常状態も定量的に近似できており、孤立量子系とは対照的に古典開放系の Floquet-Magnus 展開は収束級数となっていることが示唆される。
 本研究は藤田浩之氏(東大物性研・押川研)、および佐藤正寛氏(茨城大)との共同研究である。

参考文献
[1] A. Eckardt, Rev. Mod. Phys. 89, 011004 (2017).
[2] M. Bukov, L. D’Alessio, and A. Polkovnikov, Advances in Physics 64, 139 (2015).
[3] T. Mori, arXiv preprint arXiv:1804.02165 (2018).
[4] S. Higashikawa, H. Fujita, and M. Sato, in preparation.

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李 宰河
〒277-8574 千葉県柏市柏の葉5-1-5
東京大学生産技術研究所
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