メーリングリストの皆様
東京大学生産技術研究所の李と申します。
羽田野研究室では、下記の通りセミナーを開催致します。
皆様の奮ってのご参加をお待ちしております。
なお、当研究室におけるセミナー情報は、次のリンクよりご覧頂けます。
hatano-lab.iis.u-tokyo.ac.jp/seminar.html
*本案内は複数のメーリングリストにお送りしております。重複して受け取られました方は何卒ご容赦下さい。
記
日時:2018年07月25日(水)13時30分〜
場所:東京大学 生産技術研究所 千葉実験所 研究実験棟In210号室
道程:http://hatano-lab.iis.u-tokyo.ac.jp/access.html
講師:仲山将順さん(東大理)
演題:Choi-Jamiolkowski 状態とグローバーアルゴリズムを用いた量子ゲートの学習
要旨:量子コンピューターにおける基本的な入出力関係は量子ゲートによって表現される。とある量子ゲートを何度も呼び出すことによりその入出力関係を学習することは、機械学習の問題設定を量子系に拡張する方向性の一つである。通常の機械学習で入出力関係を学習する際には、ゲートを作用させる前の状態とした後の状態のペアを大量に用意し(教師データ)それを使って入出力関係を再現する。教師データの数が少なくても高い精度を出せる学習手法ほど、効率的な学習手法と言える。量子系においては、量子もつれ状態を用いることにより、1つの量子状態がすべての入出力関係の情報を持つようにできる。これを、Choi-Jamiolkowski 状態といい、これを用いることにより教師データの数を圧縮することが期待される。
量子ゲートの学習において、量子ゲートが Harr 測度によってランダムに与えられたとき、この Choi-Jamiolkowski 状態を利用することで、与えられた教師データの数に対して、平均の忠実度が他のどの手法より高くなるように学習したゲートを再現する方法 [1] が知られている。この手法は、Choi-Jamiolkowski 状態を大量に準備し、集団測定をすることによって、量子ゲートのパラメーターを推定する手法である。しかし、この手法は Harr 以外の任意の確率分布で量子ゲートが与えられる場合に、最高の忠実度を保証するものではない。さらにこの手法は解析が難しく、忠実度がどのように教師データのサイズや量子ゲートの作用するヒルベルト空間の次元に依存するかは明らかではない。
他にも量子ゲートの学習方法には、ポート型量子テレポーテーション [2] や量子エミュレーター [3] という手法があり、それらは Harr 測度でない場合でも再現された量子ゲートの誤差を教師データのサイズやヒルベルト空間の次元を用いて評価することができる。ただし、それらは与えられた量子ゲートを再現できても、その量子ゲートの逆変換や時間反転変換のいずれかが再現可能ではない。これらの逆変換や時間反転変換は、先の集団測定による古典パラメーター推定の手法では教師データから再現できるものである。
我々は Choi-Jamiolkowski 状態を指数関数化アルゴリズム [4] のリソースとして使うことによって、Grover アルゴリズム [5,6] が利用できることに着目し、Harr 測度でない場合でも先行研究と同程度の精度で学習したゲートを再現する方法を発見した。この手法を用いると、Choi-Jamiolkowski 状態の教師データから逆変換や時間反転変換も再現可能であることがわかった。
参考文献
[1] A. Bisio, G. Chiribella, G. M. D’Ariano, S. Facchini, and P. Perinotti, Phys. Rev. A 81, 032324 (2010).
[2] S. Ishizaka and T. Hiroshima, Phys. Rev. A 79, 042306 (2009).
[3] I. Marvian and S. Lloyd, arXiv:1606.02734 (2016).
[4] S. Lloyd, M. Mohseni, and P. Rebentrost, Nat. Phys. 10, 631-633 (2014).
[5] L. K. Grover, arXiv:quant-ph/9605043 (1996).
[6] M. Szegedy, arXiv:quant-ph/0401053 (2004).
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李 宰河
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