皆様
当研究室で以下のセミナーを行います。ぜひお越し下さい。
羽田野
2017年6月2日(金)午後2時から
東京大学生産技術研究所千葉実験所(柏キャンパス内)s307号室
hatano-lab.iis.u-tokyo.ac.jp/access.html
荒畑恵美子さん(首都大)
有限温度における超流動Bose原子気体の量子渦格子形成シミュレーション
量子渦は超流動特有の位相欠陥であり、超流動の性質をよく反映することから、理論、実験の両面から盛んに研究されている。冷却原子気体の凝縮体の運動はGross-Pitaevskii(GP)方程式でよく記述され、量子渦形成の理論研究の多くも絶対零度のGP方程式を用いて行われている[1]。渦形成には散逸の効果が必要であるが、多くの理論的研究ではGP方程式に散逸を現象論的に導入することでその効果を記述している。しかし、量子渦形成のダイナミクスの包括的理解のためには凝縮体から散逸した非凝縮体の影響を微視的に明らかにする必要がある。非常縮体の重要性について、2001年JILAグループより非凝縮体を回転させてから凝縮する温度まで冷却することにより、効率的に量子渦を生成することができると実験的に報告されている[2]が、理論的解析は行われていない。
Bose原子気体における量子渦形成について凝縮体と非常縮体を同時に扱うことの出来る理論の一つに、Zaremba-Nikuni-GriffinI (ZNG) 理論[3]がある。ZNG理論ではGP方程式を用いて凝縮体の運動を、Boltzmann 方程式を用いて非凝縮体の運動を記述するため、微視的機構に基づいた散逸項の計算が可能になり、非凝縮体の効果が詳しく議論できる。
本講演では、ZNG理論を用いた数値シミュレーションの結果について紹介する。特に、非凝縮体が渦形成に与える影響について詳しく議論する。
[1]M.Tsubota, K. Kasamatsu and M.Ueda Phys Rev A 65 023603(2002)
[2]P. C. Haljan, I. Coddington, P. Engels, and E. A. Cornell, Phys. Rev. Lett 87 210403 (2001)
[3]A. Griffin, T. Nikuni, and E. Zaremba, J. Low. Temp. Phys. 116 277 (2009)
———————–
羽田野直道
277-8574 千葉県柏市柏の葉5-1-5
東京大学生産技術研究所
Phone: 03-5452-6098 ext. 58974
Fax: 04-7136-6977
hatano-lab.iis.u-tokyo.ac.jp/hatano/index-j.html
————————————————-
Computational Material Physics Mailing List
home: www.issp.u-tokyo.ac.jp/public/cmp/
archive: cmp-ml.issp.u-tokyo.ac.jp
————————————————-